林業は全産業でも危険性が高いのは統計上でも毎年言われています。
30度以上の急峻な斜面に立つ木を、時には1時間近く登って
切り倒さなければいけません。
また、切りっぱなしではなく倒した木を運び出し、家を建てるときに
使う皆さんもよく知っている「柱」の材料になるように現場で一定の長さに
切ります。
今ではほとんどが高性能な機械を使って切るのであっという間に
出来上がります。
この流れの中でもいくつもの危険は潜んでいます。
危険、危険とは言いますが人命第一で日々安全に各社安全管理を行っているからこそ
周りで大きな事故は、昨年も起きていません。
そんな中、どのように安全に行っているのかを今日はお話しいたします。
1.林業の危険察知能力
危険を察知?これができるのです!第六感でわかります!というのは冗談ですが
たとえば、山の天気は変わりやすい。と聞いたことがあると思います。
「変わりやすい=時間がない。」もっとわかりやすく言うと、5分前まで晴れていたのに急に雷が鳴り出し10分後には土砂降りに。こんなことが日常的に起こります。
そんな時に、落雷から避難するために皆さんならどうしますか?山から下りて避難する。これができれば一番いいです。
しかし1時間かけて上ったところを下りるには30分近くかかります。ではどうするか?木を切っているということは空いているところも多くあります。
また谷や尾根なら低い谷へ逃げることなら時間はかかりません。しかし基本は雷が鳴ったら遠くにいるうちに下ることです!
人命が第一ですから、荷物を置いて身軽にして下る。
その中でいきてくるのが経験!日々の雲の流れや、天候の急変、風の冷たさ、今日の天気予報での落雷確率。
そのような要素を判断して危険察知する。そのような状況の中で無線連絡を全員にとり、周知させ仕事を止めるという判断能力。これは林業だけでなく、登山者も当然として知るべきことです。
時には林業はきつすぎると感じることもありますがやりがいのある仕事です。
他にもたくさんの危険回避するための方法はありますが、わかりやすい事例としてあげています。
2.KY活動
場の空気読めない=KY もはや死語?ですがそのKYではありません。
危険予知活動の頭文字のKYという意味です。
KY活動というのは現場で起こりえる労働災害を、未然に防ぐ=全員が周知し今日の作業で不安全な行動をしないように自主的に考え、予知し安全に作業を行うための
ミーティングです。
弊社ではKY活動の中に、ラジオ体操、KY活動の最後に「~だろうの意識を断ち、~かもしれない意識の徹底」という言葉を全員で唱和して
います。
3.基本の徹底
どんな仕事でも、基本作業やマニュアルなどがあると思います。林業の場合も当然として基本動作や基本作業での安全についてのマニュアルがあります。
林業の作業は主に素材生産と造林とに分かれます。素材生産は伐倒・集材・造材・運搬また造林作業は、下刈り・植え付け・忌避剤散布・除伐があります。その中でも一番危険度が高く労働災害につながっている割合が高いのが「伐倒作業」です。
特に足のケガが一番多く、死傷事故につながるものは木の下敷きになったり、木が倒れるときに元が自分の方に跳ね返ってきて受災するということが多く発生しています。
その多くの災害が「基本作業・動作」を怠っていたことが原因です。また心理状況として「大丈夫だろう。とか今までも同じようにやってきたから。」という過信がもたらすことが大きな要因となっています。
4.安全管理に終わりはない
ここまでやっておけば大丈夫!ということは安全管理に関してはありません!
そして、労働災害が発生したときには、必ず原因があります。
一人一人の考え方や行動まで管理はできません。とは言っても命は一つしかありません。
労働災害が起きてしまえば家族、親戚・友人、会社はもちろん一番は本人の尊い命を失うことは絶対にあってはなりません。
1件の重大事故は29件の軽微な事故またその背景には事故にはならなかった300件のヒヤリハットが隠れています。
弊社では、毎月全員で月の初めに安全会議を行います。
安全会議というと社長や上司また基本動作の徹底などの資料を読み合わせたりすることが多いと思います。
しかし、弊社は社員主導で、自発的にヒヤリハットの報告やその要因、それを改善するためになにをすれば良いのかをその都度見直し、役員であろうが新入社員だろうが関係なく意見を出し合う会議をおこなっております。
会議という堅苦しいものではなく、また聞いているだけでは正直安全管理になっていないと思ったからです。
安全会議を毎月実施しているから大丈夫!というやった気になっているだけでは労働災害は防げないと思っています。それでも起こらないとは言えません。
まとめ:林業に潜む危険性を取り除くには
林業だけが危険ではなく、すべての業種でも多かれ少なかれ労働災害が起きています。
その中でいかに労働災害につながらないようにするのかは、一人一人の安全に対する意識の向上でしかありません。
その補助や情報等を提供することが会社として行えることだと思っています。
そしていつも危険と隣り合わせであるということを自覚しこれからも安全・安心な労働環境を全員で作っていけるように日々精進してまいります。
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